ヒートショックはある日突然起こります。「うちは大丈夫」と思っていませんか?
- コラム

お風呂のリフォームを考える理由によく出てくるのが「冬のお風呂が寒い」というお悩みです。
せっかくお金をかけて新しくするなら、見た目や掃除のしやすさに加えて、これからの入浴への備えも考えていただきたいと思っています。
暖かい部屋と寒い脱衣所・浴室の温度差で起こるヒートショック
冬のお風呂に入るまでの流れを想像してみてください。
暖かいリビングを出て、寒い廊下を通り、寒い脱衣所で服を脱ぐ。そして、寒い浴室から温かいお湯につかります。
このとき、体は短い時間に大きな温度差を受けています。寒いところでは血圧が上がり、お湯につかると血圧が下がる。
こうした急な変化が、体に負担をかけるんです。
入浴中に意識を失い、浴槽で溺れてしまうこともあります。ついさっきまで元気だった人にも、突然起こることがある。それが、ヒートショックの怖いところです。
ヒートショックは、家の中で突然起こる事故です
私たちは、ヒートショックによる事故を「家の中の交通事故」のようなものだとお伝えしています。
交通事故も、普通に歩いていたり、車を運転していたりするときに、突然起こることがあります。
自分から事故に遭おうと思っている人はいませんよね。ある日突然、思いがけないことが起こる。それが事故です。
お風呂で起こる事故も、そういう意味では同じです。本来、安心して過ごせるはずの家の中で、ご主人やおじいちゃんなど、身近なご家族に起こる場合があります。
実際に、弊社のお客さまのご自宅で、ご主人がヒートショックで亡くなられたという経験もありました。また、命が助かっても、入院が必要になったり、それまでの生活を送れなくなったりすることがあります。
今は大丈夫。明日も大丈夫かもしれません。でも、交通事故と同じで、思いがけないことがある日突然起こるんです。
「うちは大丈夫」と思っていても、そう言える根拠があるかどうか、お風呂のリフォームを考える機会に、一度目を向けていただきたいと思っています。
栃木県・茨城県で、冬の寒さを考えておきたい理由とデータ
栃木県や茨城県のお客さまとお話ししていると、ヒートショックという言葉は知っていても、具体的な対策までは考えていない方がいらっしゃいます。
「冬のお風呂は寒いもの」と思って、長く使い続けていることもあります。
ここで、厚生労働省の2014年の「人口動態統計」をもとにしたデータをご紹介します。
国土交通省ホームページの資料にも掲載されているものです。
4月から11月の「1か月あたりの平均死亡者数」と比べて、12月から3月には何%増えたかを表しています。
(資料では「冬季死亡増加率」と呼んでいます。)
- 栃木県:約25%増加
- 茨城県:約24%増加
- 北海道:約10%増加
- 愛知県:約18%増加
- ・・・
- 北海道:約10%増加
- 全国:17.5%増加
このデータでは、栃木県の増え方が全国で最も大きく、茨城県も高い値になっています。
栃木県では、冬以外の時期と比べて、冬の1か月あたりの死亡者数が約25%多かったということです。
寒い北海道より、栃木県や茨城県で冬の増え方が大きかったという結果は、冬の暮らしを考えるうえで気になるところです。
北海道では「冬でも家の中では半袖で過ごす」という話を聞いたことがある方もいると思います。
外の寒さだけでなく、家の中が暖かいか、部屋ごとに大きな温度差がないか。ご自宅のお風呂や脱衣所についても、目を向けてみてください。
お風呂のリフォームで考えたい、窓・浴槽・脱衣所の寒さ対策
お風呂の寒さを見直すなら、浴槽だけでなく、窓や脱衣所も合わせて検討することをおすすめします。
まずは、窓です。窓から熱が逃げていくことを考えると、お風呂の窓を二重窓にするなどの方法があります。
浴槽を取り替えるタイミングで、窓の工事も一緒に検討してみてはいかがでしょうか。
浴槽については、お湯が冷めにくい魔法びん浴槽や断熱浴槽などの選択肢もあります。新しい浴槽を選ぶときには、こうした点も比べてみてください。
そして、脱衣所の寒さです。お風呂だけを暖めても、服を脱ぐ場所が寒いままでは、温度差が残ります。
脱衣所を暖める方法や、暖房換気扇などの設備も合わせて検討していただきたいところです。
消費者庁も、入浴前に脱衣所や浴室を暖めることや、家の暖かさを保つ工事、暖房設備の導入を検討することを挙げています。
「リフォームを考えたタイミングで、一緒に備えませんか」とお話しすると、「どうせお金をかけるんだったら、そうだよね」と共感してくださる方が多くいらっしゃいます。
ライフプランでは、なぜ窓や脱衣所まで検討するのか、その理由もお伝えしたうえでご提案しています。
過去に東芝と取り組んだ、家の中の温度を測る実験
ライフプランでは、過去に東芝と一緒に、ヒートショックに備えるための実験に取り組んだことがあります。
東芝に用意していただいたセンサーを家の中に置き、温度を測って、実際のデータを集めるという取り組みです。
「お風呂が寒い」という感覚だけでなく、脱衣所と浴室にどれくらいの温度差があるのかを調べる。そのデータを使って、事故に備える仕組みを考えていました。
当時の構想には、温度差が大きい場合に入浴を止める仕組みもありました。極端な例として、お風呂に入る前に鍵をかけるような方法まで考えていたんです。
こうした活動を通じて、シリコンバレーやサンフランシスコを訪れる経験もありました。
実際に温度を測り、ヒートショックへの備えを考えてきた経験は、今のお客さまへの説明やご提案につながっています。
こうした経験をもとに、日々学びながら情報をお伝えしています。
ライフプランが目指す、お客さまの命を守るリフォーム
ライフプランには、これまで工事をさせていただいたお客さまをはじめ、ご縁のある大切なお客さまがいらっしゃいます。
せっかくご縁があったのですから、その方の家でヒートショックによる事故が起きないように、私たちからもきちんとお伝えしていきたいと思っています。
事故が起きれば、ご本人だけでなく、ご家族の生活にもかかわり、医療費などの負担もかかります。
事故を減らしていくことには、社会にとっても意味があります。ただ、人の命は、お金には代えられません。
なぜ窓も一緒に考えるのか。なぜ脱衣所の暖房までお話しするのか。その背景には、お客さまにこれからも安心して暮らしていただきたいという思いがあります。
「お客さまの命を守るリフォームにつなげていきたい」。それが、私たちの考え方の土台にあります。







